40代・50代の看護師の転職は難しい?ベテランナース13人に聞いてみました
40代、50代で看護師歴20年以上のベテランナースの転職事情とベテランナース13人の本音をまとめました。
40代・50代の看護師の転職事情
40代、50代の看護師さんのライフスタイルと転職の悩みについては以前にも取り上げましたが、今回は実際に40代、50代の看護師さんの本音と転職事情をもう少し深く掘り下げてみていきたいと思います。



しかし、転職に関して言うと、一般転職に比べると大きく不利になるというものではありません。


ただ病院、施設によっては年齢を考慮されるケースも多少出てきますが、他職種の転職の大変さに比べれば気にするほどのものではありません。


40代で転職した看護師の体験談

小児科の無床クリニックに転職
(福岡県・Sさん・女性・40代後半)
・転職活動に利用した媒体:なし
・転職活動で有利不利を感じたか:はい
・転職して満足しているかどうか:どちらでもない
・今までの転職回数:3回
私が現在働いているところは小児科の無床クリニックです。
外来のみなので、勤務時間は8:15~18:00です。
夜勤をしていた頃に比べると、年収はだいぶ落ちてしまいましたが、2人の子育てを最優先にしながら働きたいと思い、転職に踏み切りました。
日曜日と祝日が休みなので、子どもとの時間も大切にできるところが転職してよかったと思うところです。
就職活動で苦労したところは、やはり一番は年齢のことです。この年齢で思い切って就職活動をして、ちゃんと職に就けるのか、自分の納得できる職場が見つかるのか、とても不安でした。
なかなか一歩を踏み出せずに悩んでいたところ、たまたま手に取った転職雑誌に自分の思い描いていたものにかなり近い求人が載っていました。
その求人を見つけた時、嬉しくて、そこからは必死で履歴書を書き、今までの仕事で得た知識を総復習し、面接に備えました。
面接は、始まるまではかなり緊張しましたが、面接が始まると落ち着いて、時には笑いながら和やかな雰囲気で終えることが出来ました。
採用されるかは心配でしたが、十分に自分を出せたのでとても満足でした。
結果は見事採用でした。
自分が今までしてきたことに自信と誇りを持って面接に臨むことができたという所が勝因なのではないかと思います。
40代、50代で転職を考えている方、今まで看護師として働いてきた中で得た知識に自信と誇りを持ってください。
ある程度頭の中で話す内容や、質問の予想をしておくことは大事ですが、今までの知識があれば深く悩まなくても自然と言葉は出てくると思います。
後は自分がいかにここで働きたいかを静かにアピールすることが大事だと思います。
44歳で看護師の資格を取得してからの転職
(富山県・Kさん・女性・40代後半)
・転職活動に利用した媒体:ハローワーク
・転職活動で有利不利を感じたか:いいえ
・転職して満足しているかどうか:いいえ
・今までの転職回数:3回
40代から看護学校に行き始めて44歳で准看護師の資格を取りました。
今まで老人保健施設と精神科病院に勤務した経験があります。
私はパート勤務のため時給ですが、どちらも同じでした。
転職の際は看護師専門の転職サイトに登録もしましたが、そもそも地方のため通勤できる病院が限られておりあまり意味がなかったったように思います。
40歳以降での転職は自分の経験を活かせる診療科がお勧めです。
私は介護福祉士でしばらく働いてきたので高齢者に関わる看護の仕事だったら、一緒に働く介護さんとも連携がとりやすく働きやすいです。
しかし、高齢者の施設では看護師も入浴介助や利用者さんの送迎を車で行わなければいけなかったりで身体の負担が大きい場合があります。
そうならないためにも、事前に仕事内容の確認と職場の雰囲気の確認はしておかなければいけません。
私は自分も身体が丈夫ではない上に、子供もまだ小さくお休みをいただくことが多いのでそういったことも事前に話しておいたほうがスムーズです。
経験年数があるので安心と評価された訪問看護ステーションへ転職
(大阪府・Rさん・女性・40代後半)
・転職活動に利用した媒体:看護師転職サイト
・転職活動で有利不利を感じたか:いいえ
・転職して満足しているかどうか:はい
・今までの転職回数:2回
訪問看護ステーションで働いています。以前は総合病院で、外科病棟勤務をしていました。
以前の職場は三交代制で、夜勤もしていました。
やはり歳をとっていくと、夜勤が段々としんどくなっていき、生活のバランスが崩れてきました。
それが理由で転職を考え、よい職場があったので、転職しました。
現在の職場は以前、結婚の際にお世話になった看護職転職サイトです。
条件にあった転職先を数カ所紹介してくださりました。
やはり、40代での転職だった為、私ははじめ、この歳での転職なんて無理だろうなと思っていました。
しかし、面接に行かせていただいた全ての職場の方に、経験年数が長い分、安心できる、技術もあるだろうといった評価をしてもらえました。
それで紹介頂いた全ての職場から来て欲しいと嬉しいお言葉をいただけました。
年収で言えば、前職場の方が多少は良いですが、生活リズムが昼夜逆転しないところでからだの調子はだいぶ良いです。
転職してよかったです。
なぜ40代になって転職をしたのか聞かれるので準備が必要
(大阪府・Tさん・女性・40代前半)
・転職活動に利用した媒体:看護師転職サイト、ハローワーク
・転職活動で有利不利を感じたか:いいえ
・転職して満足しているかどうか:はい
・今までの転職回数:6回以上
私立の中高一貫校の保健室勤務、養護教諭がすでにいる学校での養護教諭補助としての採用。
非常勤職員としての採用、年収は非常勤ということで一般のOL程度に下がる。
キャリアとしては、福祉施設での看護師勤務と保育園での看護師、さらに特別支援学級の看護師としてで病院看護師勤務経験なし。
ライフスタイルとしては、学校なので遅くても19時には帰れます。
養護教諭と交代で休みもしっかりとれますか、福祉施設も保育園も休みはとれていたのでその点はあまり変化なし。
朝出かけて17時、18時には帰る規則正しい生活。
転職活動で感じたのは、公務員や病院はわりと年齢の若さに注目するが保育園や学校、施設などは看護師の数が少ないので年配でも良いので看護師経験のある人間をほしがる傾向にありました。
苦労はそもそも求人があまりなく、あっても倍率が高いのでまず一年契約の学校から始めるなど下準備をしましたし、良い年齢になってからOLと変わらない給料に下がるのでやり甲斐をとれる人でないと給料が安く感じて生活苦に思う方もいるかもしれません。
なぜ40代になって転職をと聞かれるので、面接では具体的になぜかをプラスで答えれるかが重要です。
役職、職員育成の経験が高評価され採用
(鹿児島県・Iさん・女性・40代後半)
・転職活動に利用した媒体:ハローワーク、施設のホームページ
・転職活動で有利不利を感じたか:はい
・転職して満足しているかどうか:どちらでもない
・今までの転職回数:2回
約4年前から介護老人保健施設に正社員として勤めています。早番、日勤、遅番、夜勤と4つの勤務形態があり、夜勤は月に4回程度です。
以前は病院や障害者施設で働いていました。病院勤めだった頃と比べると、2割程給料は減ってしまいましたが充実した日々を過ごしています。
年齢や体力面でマイナスイメージを持たれましたが、以前の職場で役職をもらっていたことや職員育成を任されていたこと等、これまでの経験が大きく評価されました。
1度目の転職は子どもがまだ小さい時だったため、夜勤に入れなかったり急な勤務変更があったり等の可能性を指摘され厳しい状況でした。
しかし、40代になると子育てもひと段落し、体力面での心配が無ければ夜勤も入ることが出来、子どものことで急な勤務変更が発生することもありません。
割と自由に働けるといった面では、看護の仕事をする上でとても強みになります。
40代、50代での転職は世間一般的には厳しいですが、看護の世界は人手不足もあり採用されやすいです。
40代、50代の看護師と言えば実務経験も社会経験も豊富にあり自己PRの際に強みとなるので、前面に押し出していくことをオススメします。
助産師として20年勤務して県立病院へ転職
(三重県・Rさん・女性・40代前半)
・転職活動に利用した媒体:一般の転職サイト
・転職活動で有利不利を感じたか:いいえ
・転職して満足しているかどうか:はい
・今までの転職回数:1回
私は元々個人の病院で助産師をしていましたが、看護学校卒業からずっと同じ病院勤務で、キャリアは約20年になります。
休みはシフト制で、入院患者様もいるので夜勤も頻繁にありました。
小さい病院で助産師が少ないのでシフトを代わってもらうのも難しく、有給も取りづらい環境なのが大変でした。
子供の学校の役員や行事等でどうしても休まざるを得ない時も良い顔をしない人が居て、転職を決意しました。
私が面接に行った病院は、県立の大きな病院でした。
今までのキャリアを生かしつつ、更に様々な症例をみる事でもっと患者さんの役に立ちたいという思いと、先程話した働く環境の改善の気持ちがあったからです。
今まで休みづらかった環境の不満を正直に伝え、「看護師の仕事に誇りを持っていますが、家族が一番大切なので、休みは休み・仕事は仕事としてメリハリを持って働きたいです」とハッキリ言ったので、嫌な顔をされるかと思ったら全く逆でした。
むしろ、「働いてから【こんなはずじゃなかった】と辞められるより、正直に言ってもらえて助かります」と感謝されたのには驚きました。
また、私と似た悩みを持っている人が多い職場だったようで、「似た悩みを持つ人は多いので、隠したり遠慮したりせず、お互い助け合う体制を作っているので問題ないと思います」と言って頂き、そのまま転職が決まりました。
良い恰好をして転職する事も出来ると思いますが、その後の自分の働き方に影響が出るくらいなら最初にハッキリ希望は伝えた方が良いんだなぁと実感しました。
今はお互い助け合える働きやすい環境なので、転職して正解でした。
会社員から安定雇用の看護師に転職
(大阪府・Yさん・女性・40代後半)
・転職活動に利用した媒体:一般の転職サイト
・転職活動で有利不利を感じたか:いいえ
・転職して満足しているかどうか:どちらでもない
・今までの転職回数:3回
〈自己紹介〉
民間企業から転職しました。普通の会社員でしたが手に職をつけた方が安定すると思い看護師になりました。
重労働のわりに給料が伴わないと思います。
しかし終身雇用の崩壊したと言われる時代ですので看護師になった事に後悔してません。
〈転職で苦労した事〉
内定をいただいても自分に合う合わないがあります。それを見抜くのに苦労しました。
また意地悪な看護師も多い職場もあります。正社員の求人を出してるのに実際正社員にしなくて離職率の高いところもあります。
それを詮索する為に色々質問しますが聞き方を考えないと失礼になります。聞き方を考えるのに苦労しました。
〈アドバイス〉
看護師は、年間15万人とか16万人足りない業界と言われてます。年齢で不採用になる事はありません。
むしろ働く側が選びたい放題の業界です。年齢を気にせずに積極的に自分に合った職場をみつけるて良いです。
派遣会社員を利用すると自分の希望に合った職場をみつけやすいです。
現実を受け止め情報収集して転職することが大事
(岐阜県・Mさん・女性・40代後半)
・転職活動に利用した媒体:看護師転職サイト
・転職活動で有利不利を感じたか:はい
・転職して満足しているかどうか:はい
・今までの転職回数:2回
総合病院で10年勤務した後、家庭と両立しやすい高齢者施設で働いていました。
子育てがひと段落したこともあり、病院にまた戻りたいということで転職活動をしました。
転職活動をして感じたのは、30代のときに転職したときと比べ、年齢で引っかかることが多かったことです。
前回は年齢で断られることはもちろん無かったので、驚きましたし、現実を突きつけられたようでショックを受けました。
自分は必要とされていないと感じることもありました。
最初はプライドが邪魔をしていましたが、「無理をして入るより、自分を必要としてくれるところの方が働きやすい」と考えをかえ、本来の自分が出せるようリラックスして面接を受けられるよう面接対策をしました。
結局就職したのは、当初の希望よりは少し小さい病院ですが、年齢が近い人も多く、働きやすいです。
アドバイスとしては、「プライドを捨てて現実を受け止める」ことと「情報収集をする」ということです。
この年齢になると、一つ断られるごとに精神的にもきついものがあります。
自分の年齢、経験でいける求人情報をしっかり集めて自分にあった転職活動をしていくことが大切だと感じました。
地方は看護師求人が少ないので転職活動に一苦労
(福島県・Mさん・女性・40代前半)
・転職活動に利用した媒体:看護師転職サイト
・転職活動で有利不利を感じたか:いいえ
・転職して満足しているかどうか:はい
・今までの転職回数:3回
看護師になって約20年が経過します。子供の育児などで潜在看護師になった期間もあるので、看護経験は約15年です。
その間内科をはじめ、小児科、手術室、整形外科など様々なところを経験してきました。
私が転職活動を始めたのは、1月です。地方に住んでいるのですが、求人の少なさに唖然としました。
希望の条件を入力すると、あまり良い求人が見当たらないのです。
転職サイトの担当者に確認をすると、もう大きな病院では、4月からの採用者は決まっているし、1月の就職・転職活動はちょうど求人が少ない時期でもあるということを知らされました。
夫の転職に伴う私の転職だったため、この時期は仕方がありませんでしたが、地方ってこんなに求人が少ないのか?自分のやりたい仕事を選ぶことって難しいのかな?とちょっとがっかりしたのは言うまでもありません。
結局私の希望とは全く異なる訪問看護の分野に飛び込んで、今はそれが楽しい、やりがいがあると感じているのですが、転職活動中は、いつも求人の少なさに悩んでいたことを思い出します。
50代の看護師の転職体験談
復帰後は家庭を優先して3回の転職を経験
(Mさん・女性・50代前半)
結婚前までは総合病院内科病棟で勤務していましたが、結婚のため退職しました。
その後10年ほどのブランクののち、総合病院内科外来、デイサービス、老健、訪問看護ステーションへと転職しています。
それぞれ正職員での勤務ですが、夜勤はなく、年収は250万円程度と大差はありません。
看護師として復帰するにあたり、小学生の子供がいたので、通勤に時間がかからず、夜勤のない職場を探しました。
やはり夜勤がない分、正職員であっても収入は低めですが、家庭生活との両立ができることを優先したので、収入面ではそんなものかなと感じております。
復帰後、3回の転職を経験しましたが、一番の転職理由は仕事の負担の重さです。
勤務経験が長くなるにつれ、どの職場も時間外の委員会業務、会議などの業務が与えられるようになりました。
しかも時間外手当がつかないのに、週1~2回、2時間以上かかっていました。
その負担が大きく、転職を決意したのです。それぞれの転職の際は、知人の紹介を含め、複数の媒体から情報収集しました。
採用時の条件は、金銭面、労働時間面での納得のできるものでしたが、やはり勤務してみないと分からない点もあり、2年ほど勤務すると勤務環境が当初の条件とは異なってくるので、その都度考慮しながら、転職してきました。
私のライフスタイルは収入よりも家庭を優先することでしたが、働いているうちにライフスタイルよりも労働条件が変わってくるほうが多かったです。
転職する際は、働きながら自分が優先したいことを考えて転職先を見つけるのが大切だと思いました。
50代で転職した看護師へのインタビュー

公立病院から個人クリニックに転職し複数のアルバイトを掛け持ち
(Mさん・女性・50代前半)
看護師としてのキャリアを教えてください。(自己PR含む)
助産師、受胎実施指導員、正看護師、ケアマネージャー、介護教師、納棺師の資格を持ち職歴25年になる者です。
職歴は公立の総合病院に25年勤務し、市立の総合病院に3年、警察病院に5年、老人保健施設に2年、現在は個人のクリニックに勤務しています。
常勤に関しては全文記載のとうりですが、常に複数のアルバイトをしており、現在は4つの職場で働いています。
ひとつは産婦人科クリニック(常勤)、ふたつめはグループホームで看護師とケアマネージャーとしてアルバイトをしており、3つ目は当直のみの産婦人科病院でのアルバイト、よっつ目は公立総合病院での産科当直の仕事です。
これ以外に介護学生への講義と指導、市の委託の産後の家庭訪問、入浴介助が単発で入りほとんど何か伸ばしました仕事中が多い生活です。
年収は今年は少なく750万、昨年度850万は頂いております。
看護師になったきっかけは何でしょうか?
医療の仕事についたのはすべて成績がよければ奨学金で学校に行け、また学校にいきながらもアルバイトが多く、親の世話にならずに生きていけるからです。
これまでの転職回数とその理由を教えてください
これまでの転職回数は四回です。
結婚、主人の死亡、子供の出産、親の看護のために転職しました。
あなたの理想とする看護師像を教えてください
目指している看護師像はオールマイティーに何でも出来る看護師です。
助産師だから産科しか出来ないというのは私は間違っていると思うからです。
看護師である以上何でもこなす力を得たいと思っています。
転職活動で得たものやノウハウはありますでしょうか?
転職もアルバイトも私の目指すオールマイティーない看護師には大変役に立ちました。
面接はいかに自分を採用すれば得であるかを明瞭にアピールする事だと思います。
これから転職する方へのアドバイスがあればどうぞ
転職する人は紹介会社を上手く利用するとだと思います。
自分で探したほうがいいときもあるので、その見極めが大事です。
