市民病院と市立病院の違いは?市民病院で働く看護師の役割と転職事情
看護師でも市民病院と市立病院の違いをうまく説明できない人が多いです。その違いと市民病院で働く看護師の役割と転職についてのまとめです。
市民病院と市立病院の違いは?
全国の市区町村立病院・施設数(2019年1月時点)
地域 | 市区町村立病院・施設数 |
北海道 | 83 |
東北 | 88 |
関東 | 61 |
中部 | 110 |
近畿 | 82 |
中国・四国 | 84 |
九州 | 63 |
(※地方独立行政法人に移行した病院40院、指定管理者制度を導入した64院は含まず)

公立病院に区分された実際の市区町村立病院は136院ほどです。
ところであゆみさん、市民病院と市立病院の違いは分かりますか?

それに民間経営の病院を含むのが市民病院だったと思います。

○○市立病院は公立病院だけですが、個人や法人経営の民間病院でも△△市民病院の名称は使えます。




公立病院はほとんどが赤字経営で統廃合・再編(※1)が進んでいますので。


ただ市民病院を含む自治体病院は統廃合や民間への譲渡など再編の話もあるので、市立病院に入職したら退職する時まで公務員待遇であるという保証があるとは言い切れないだけです。
しかし、国から地域の中核病院、今後の地域医療の要としての役割を期待されているので、待遇が悪化する可能性は低いでしょう。


市民病院(市立病院)の求人の特徴とは
看護師は現在人員不足のため、ほとんどの医療機関で募集を行っています。
そして各自治体で最も大きい医療機関の1つである市民病院も同様に人員不足ということで求人を出していることも多いです。
なので看護師の資格を所有していれば市民病院の看護師に転職することも可能ですが、市民病院の看護師の求人の場合は一般的な転職情報誌やサイトに掲載されていないことも多いです。
そのため市民病院の看護師の転職先の情報を見つけるにあたっては、それ以外の医療機関の看護師として転職するのとはまた別の方法で探す必要があります。
まず市民病院は、ほとんどのところで公式ホームページを作っています。
掲載されている情報としては受診や入院に関するものがほとんどですが、その中には看護師の求人情報を掲載していることもあります。
時期は一定しておらず基本人員が不足するたびに求人を出すのですが、最も多いのが年度初めになる手前の年明けから3月くらいであり、その時期に求人情報を出して年度初めの4月に新卒の看護師と一緒に入って研修を受けて転職することも多いです。
また少数ですが看護師専門の派遣会社でも市民病院の求人は取り扱っていることから非正規雇用ではありますが、派遣会社を通じて転職することも可能です。
市民病院は各自治体に1つないしは2つ程度のところがほとんどであり、転職するのは地域によってはとても難しいことですが情報をきちんと入手すればきちんと転職できる可能性は高いものです。
公務員勤務で収入が高めな市民病院(市立病院)の看護師のメリット・デメリット
市民病院は自治体が運営しています。
いわゆる民間の病院ではなく、公的な病院になる以上は、公務員勤務になるのです。各市の住民の健康維持のために活躍している病院であり、いわゆる総合病院になります。
市民病院の看護師という働き方には、安定性に関するメリットがあります。
そもそも看護師は、あらゆる職業の中でも比較的安定しています。
市民病院は公務員勤務になる以上、さらに安定しているのです。ですから安定した仕事に就きたいと思っている方々は、しばしば市民病院に注目しています。
ところで看護師の仕事を探す時には、しばしば福利厚生が重視されています。
福利厚生が充実している病院で働きたいというニーズも多いですが、その際市民病院が候補になる事も多いです。
民間の病院よりは福利厚生が手厚いですし、長期休暇なども比較的取りやすい傾向があります。
ただし市民病院という勤務先には、デメリットもあります。
民間の病院と比べると、身だしなみは若干厳しいです。紙の色やメイクにはとても厳しい病院も、多数あります。
また公務員勤務になりますから、副業はできません。
そのデメリットが分かっていても、市民病院で働きたいと思っている方は多いです。
給料は比較的高めだからです。
全国的に見て、市民病院は民間病院よりも月収が3万円ほど高めな傾向がありますし、年収換算で23万円ほど高めです。
ただし、それも自治体次第です。各地域はそれぞれ平均収入も異なりますが、郊外よりも都市圏の方が、収入は高めな傾向があります。
市民病院(市立病院)に看護師として勤めたい場合に知っておきたいこと
市民病院へ看護師として勤めたい場合、その特徴を知り判断することが大切です。
市民病院は、いくつかの診療科を持っている総合病院です。地域の中核施設になり、市が運営しています。
目的は市民の健康維持です。
総合病院であることから、看護師としてスキルアップしやすい環境になります。
また市民病院は勤務することで、自動的に公務員看護師になります。
難しい公務員試験を受けることなく、公務員の待遇を受けることが可能です。
仕事内容は公務員看護師も、民間病院の看護師も変わりません。しかし安定性や社会的信用は高くなります。
例えば民間の病院では人員が少なく、病院の運営が難しい場合があります。
市民病院では人が足りなくなることは、ほとんどなく病院運営は安定しているのが特徴です。
看護師の定数を満たしていることから、休みもほぼ確実に取れるようになっています。そのため育休や産休を、取りやすい環境です。
そらから収入も安定しており、倒産の可能性が低いことから定年まで勤める看護師が多いことも、市民病院の特徴になります。
気になる給与は、地方公務員の規定になります。
平均年収は他の看護師に比べて高い傾向です。給与の平均32万円に対して、市民病院の看護師は38万円になります。
年収では全体の平均が430万に対して、市民病院の看護師は590万になるため、かなり高いです。
そして年齢や経験、地域によっても変わってきます。
地域では都市圏になるほど高い傾向になり、地方になると低くなるようです。
また自治体の財政状態によっても変わってきます。
財政がよい自治体であれば、看護師の基本給も高く設定します。また退職金が出るところも市民病院のポイントです。
これらが市民病院の看護師の特徴です。市民病院によっても変わってくるため、選ぶときはよく検討しましょう。
市民病院(市立病院)の看護師が抱えやすい悩みとは?
勉強できる幅が広く、安定した収入の得やすい市民病院の看護師は、人気のある就職先の1つです。
しかし誰にでも悩みがあるように、市立病院の看護師にも特有の悩みがあります。
よくある悩みとしては、派閥争いが挙げられます。市立病院では個人病院よりも権力のある看護師がたくさんいるため、派閥争いが起こりやすいのです。
当然そこで働く看護師にも強く影響します。
上手く立ち回れれば良いのですが、中途採用となると環境に溶け込むのに時間がかかりがちなので、十分に気を付けましょう。
主任、看護師長、ベテラン看護師等には逆らわず、一歩ひいた姿勢を保つと巻き込まれずに済むかもしれません。
何かと規則が多い市立病院ですから、それらを破り悪い意味で目をつけられるのは避けたいですね。
また、科が多い市立病院でも、希望部署に配属されるとは限りません。
行きたい科に異動が出来ず転職しようか迷っているという声もよく聞きます。希望部署がある場合は、転職の際に強く訴えておくことが懸命です。
それでも配属されなかった場合、これも大事な社会勉強だと受け入れる姿勢が必要となります。
決して好きな部署だけで働けるとは思わない方が良いですよ。市立病院には異動という大きなチャンスがありますから、それを待つことも大切です。
どんな仕事にも悩みは生じるもの。それに抗うばかりではなく、上手く付き合い自身を成長させていくつもりで勤務出来るといいですね。
勤務していく中で、自分なりのやりがいを見つけましょう。
市民病院からの転職なら総合病院がおすすめ
市民病院で働いていた経験があるならば、様々な部署を経験した事がある方も多いです。
基本的に様々な部署で働く事を前提とされていますので知識やスキルなどが磨かれていると他病院に転職をする時に判断してもらえますので転職には有利です。
そこで最適な転職先の病院が総合病院です。
総合病院の場合には、市民病院と同じく総合病院となっていますので今まで培ってきた経験や知識を活かせる環境となります。
しかし、部署はある程度固定をしている病院もありますので、じっくりとスキルアップを目指せるようになっており市民病院との違いもしっかりあります。
市民病院とは労働環境も異なり、たくさん働きたいと言う方でも対応する事が出来るようになっています。
夜勤専属や夜勤を多めに設定してもらえますので高収入を目指せる職場環境でもあります。
今は看護師も人手不足となっていますので多くの時間を労働に使いたいと思っているなら最適です。
総合病院では市民病院と違いが見えにくいと思っている方は、クリニックなども良い環境です。
クリニックであれば絶対的に一つの診療科目を勤める事になりますので専門的な知識を身に付けられる環境となります。
そのため、これから先の転職にも役に立つ経験を得られます。
市民病院からの転職は基本的にどこでも歓迎されていますが、専門的なスキルを身に付けたい場合にはクリニック等、今までと出来るだけ同じ環境でいたいと思えるなら総合病院が良いです。
市民病院の看護師の転職体験談
市民病院で働く看護師の転職のリアルな体験談です。
市民病院から家の近くの施設へ転職
私は市民病院に勤めていて、そこは大きな総合病院でした。
外科の入院病棟に勤めていました。正社員として勤め、一月に三回か四回ほど夜勤があり、あとは日中の勤務をおこなっていました。
看護職についたのは元々医療関係の大学に通っていたからです。
ゼミ担任が病院に口利きをして優先的に就職させてやるという話しになったので、他に希望もない私はその施設に勤めることにしました。
現在まで転職は一度行ったのみです。
転職理由は、勤務地が家から非常に遠かったことが一つ目として上げられます。
そしてもう一つは私の家庭環境が変わり、なるたけ家にいて、家の仕事をしないといけなくなったので、以前よりも近い施設に転勤することにしたのです。
理想の看護師像は、まずは元気なことです。
意外にもストレスの溜まりやすい現場です。そして一日良く動くので体も疲れます。
同僚の中にはそれらの重圧に耐えきれず、心身共に病んで現場を去っていった者も数人います。
私はそれらに負けず心身共に健康で、日々笑顔ですごせる職業人としての看護師を理想とします。
転職して思うのは同じ医療機関でもやはりチームで行う仕事は勝手が違うということです。
はっきり言って、前の現場と今の現場では後者の方が統制がとれていて、現場が周りやすいということが言えます。
面接では隠さずに本音を言うことです。
あまり格好つけたことを答えず、緊張感はもった方が良いですが、肩肘を貼りすぎることもありません。
転職するには人それぞれに理由があるはずです。
その理由はせっかく合格した就職先を離れるに値するものなのか、それだけは辞める前に検討してください。
退職を後悔することがないように気をつけることです。
市民病院に転職した理由
【キャリア】
市民病院外科に勤めています。年収は前職場で300万、転職後は320万。
週5日フルタイム勤務で、月に二回か三回程夜勤をします。
看護師経験は5年。
規則正しい生活をお心がけ、夜勤でもない時には23時に寝て5時に起きる生活を続けています。
【転職理由】
転職理由は二つあります。
一つは勤務途中でやむなく引っ越しをすることになり、それによって通勤時間がかかりすぎるようになったからです。
家を早くでることで体を休める時間が減り仕事がえらくなりました。
もうひとつは徐々に仕事現場の人間関係が悪くなり、居心地が悪くなったからです。
【転職のメリット】
前よりも家から近くなったことが最大の変化です。
通勤距離を言い訳にしてはいけないと思いますが、それでも通勤の時間の余裕は仕事にも影響すると思います。
しっかり休んで家を出られるし、家から近いということがあればその分リラックスして仕事に望めました。
前は通勤だけで疲れることもあったので、近くなってからは仕事の質を上げることも出来ています。
収入は月々で少し上がったので良かったです。
朝の家を出る前の時間がゆっくりできるようになり、そのおかげで母の朝の家事を手伝うことが出来てよかったです。
【転職に成功した理由】
転職成功の理由は恐れず会社をあたることです。
よそからの流れ者だからと最初は少し警戒されるかもしれません。
しかし、自分は社会人としてなんら落ち度はないと見せつけるがごとく堂々としていれば、面接でも、新しい職場に入ってからも警戒して見られることはありません。
自分に合った求人はどこにあるか分からないので、看護師転職サイトやハローワークを使うのも良いですが、新聞の求人広告や、雑談混じりに知人から仕事場を聞き出すことも重要です。
私は最終的には知人の紹介で転職しました。
市民病院から介護施設へ転職した看護師(インタビュー)
最初は市民病院に勤めていて、その後介護施設の看護師に転職しました。
どちらも週5日勤務で、転職後は夜勤がなくなりました。
元々看護助手として現場に入り、上司らをはじめとした周りの人間からのすすめで看護師になりました。
そちらの方が今後働く上で有利だからということでした。
最初に勤めた市民病院を離れとうと思った理由は、まずは病院の環境が悪かったからです。
古い施設のために空調が利いておらず、夏はすごく蒸し暑くて体調を崩すことがありました。
元々体力のいる現場なのに、湿気や熱気でさらに体力を奪われることになりました。
あとは、人間関係でストレスも感じていました。
私が誰かと衝突するような実害はなかったのですが、その他の看護師は派閥に別れて日々ばちばちと火花を散らす状態でした。
女性同士のこういうのは長期にわたり、強く衝突することはほぼありませんが、それでもいつまでもお互いを牽制しあう関係は続くのです。
丁度冷戦のようなものだと思いました。
中立の私に実害が来ないと言ってもこの間で職務を行うのは精神的に疲れました。
人間関係を一新し、加えてクリアなチームワークを発揮できる現場に移りたかったので転職しました。
看護師だからと限定するわけではありませんが、仕事はやりがいがあって楽しくなければ意味がないと思います。
私は日々快活に過したいです。スタッフとも利用者とも笑顔でかかわりあえることを目指したいです。
前の現場では看護師内部で派閥が分かれていました。
しかし私はどこまでも中立の立場でした。
こういうのに加担するのが愚かしいと思いました。
でも一つ学びになったのは、中立のためにどちらの派閥の人間からも相談というか愚痴を聞かされたことです。
これを聞くと、意外にどちららにも納得出来、否定もできるということがわかりました。
元来争いを好まない私には分からない人の心理というものが少し見えました。
こうして得られたそれまで知らなかった人の考えや価値観をは今後の人生の上できっと役立つと思われます。
転職は必要ならすれば良いものですが、おいそれと行うのも危険なものです。
まずは転職先が良い環境なのか、そこのところを全力でリサーチして決定してください。
でないと転職した先でも以前と同じなんて残念なことになります。
古い病院から市民病院に転職した看護師(インタビュー)
勤務場所は岡山県の市民病院です。
看護師として勤務しました。総合病院でした。常勤で年収は300万円ほどでした。
月に二度くらい夜勤がありました。通常日は8時から17時勤務でした。
元々医療関係の大学出身です。
訓練を受けて資格を持っていたので勤めることにしました。
自分の親も医療関係で働いています。その関係から親にもこの業界を勧められました。
最初に務めた勤務地は大変古い施設の病院で、まず空調が効かず、夏には蒸し暑くてかないません。
それが嫌でした。
次には雨漏りがすることもありました。施設設備が気に入らないということがありました。
そして現場の空気感も好きではありませんでした。
看護師というのは女性が多く、多くの女性が狭いナースステーションに集まれば色々なぶつかり合いがあります。
でもこの仕事はチームを組んでことにあたることが重要です。
私の現場では険悪な仲の看護師がいて、一緒に働くのがきついと思いました。
仕事に私情を挟んで効率を落とすというのは、この現場に限らずどこの現場に行っても三流の扱いを受けると思います。
そういう方たちと同じ場所で働きたくないと思い、転職を決意しました。
疲れやいらだちを表面に出すこと無く、いつも笑顔で活き活きとした看護師です。
誰からも話しかけられやすい雰囲気をだすことです。
面接では必ずと言っていいくらい前の現場のことを聞かれます。
それの内容はどうしても悪口を含むことになります。
ここを控え目に口頭で伝えるということを予め準備しないといけません。
せっかく就職したのに勿体ないと誰もが思います。
しかし、自分が働いて気持ち良い現場を求めるのが一番です。
じっくり考えることが必要ですが、転職するときめたならば、その後はさっさと行動した方が良いです。
