看護師の転職に必要な退職願の書き方6つのポイントとナースに聞いた退職の本当の理由
転職する前に必ず書かなければいけないのが、退職願(退職届)です。正しい退職願の書き方の実例(見本)と退職の本当の理由をまとめました。
病院・施設を退職するときに必要な退職願
看護師は転職する前に、当然、今勤務している職場を退職しなければなりません。
退職時に必要になるのが、「退職願」です。
ここでは看護師の「退職願」の書き方を分かり易く説明していきます。
退職願の書き方で注意したい6つのポイントとは?



①

退職願を書くにあたって、何かわからないことはありますか?

「退職願」の文字はどこに書けばよいでしょうか?

②


「私事」の意味は自分自身の事情のことです。
「私儀」の意味は私の事情で大変恐縮ですがという意味も含みます。
③

自己都合の場合、「このたび・・・」の後、「一身上の都合により・・・」と記入します。
④


話し合いをしていない場合、1ヶ月以上先の日付を記入します。
退職願の場合は「〜お願い申し上げます」と記入するのが一般的です。
「退職願」は勤務先に退職意思を表明している状態で、すぐに労働契約が解約されるわけではありません。
「退職届」は退職を通告するもので、受理された時点で退職が決まります。
⑤


⑥


氏名の最後に記入する敬称は「殿」でも構わないです。
退職願を入れる封筒の書き方のポイント



A4サイズの退職願の場合、長形3号(長3)に三つ折で入れます。
A5・B5サイズの退職願の場合、長形4号(長4)に三つ折または四つ折で入れます。


以上が退職願と封筒の書き方です。


退職願を書いたけれども不安な方は、退職願を提出する前に看護師転職サイトの担当者(キャリアアドバイザー)に見てもらうと良いでしょう。
20人の看護師に退職の本当の理由を聞いてみました
(調査対象:20代~50代の看護師、WEBアンケート結果、調査期間:2019/4/5~4/9)
①現在までの退職回数は?
1回 | 6人 |
2回 | 9人 |
3回 | 5人 |
②退職を決意した理由は何ですか?
(複数回答)
夜勤の負担が大きいため | 8人 |
育児・出産のため | 8人 |
人間関係が良くなかったため | 7人 |
責任の重さ・医療事故への不安 | 6人 |
結婚のため | 5人 |
施設環境が良くなかった | 4人 |
看護職員に向いていなかった | 3人 |
他施設への興味があったため | 3人 |
進学のため | 3人 |
キャリアアップの機会が無かった | 2人 |
給与に不満があるため | 2人 |
通勤が困難なため | 2人 |
家族の転勤のため | 2人 |
本人の健康問題のため | 2人 |
その他 | 3人 |
③退職について相談した人は誰ですか?
(複数回答)
家族(親族) | 13人 |
職場の上司 | 11人 |
友人・知人 | 8人 |
職場の同僚 | 5人 |
相談していない | 4人 |
職場の人事担当者 | 1人 |
④実際に退職してみて良かったと思いますか?
良かった | 15人 |
悪かった | 0人 |
どちらでもない | 5人 |
看護師の退職と転職(インタビュー)
退職をテーマにした看護師さんへのインタビューです。
公立病院を退職し、訪問看護師に転職
(Hさん、30代前半/女性、退職歴2回)
一度目の転職で整形外科から内科に移り、当時の年収は350万円、管理職は目指していなかったので(その実力もなく)キャリアと言えるようなものはありません。
体力がない方なので、休日は家で寝て過ごしていました。
看護職員に向いていない、実力も体力もないと自信を喪失していたのに、ほかにやりたいこともなく途方に暮れていました。
看護師の仕事よりもハードではないと思っていたのですが、休みが週に1日程度で、勤務時間も長かったので普通にきつかったです。
年収も当時よりも150万円近く下がったので、また専門職に戻りたいと思い、未経験からでもできる訪問介護の仕事を始めました。
これも体力勝負の大変な仕事なのですが自分に合っていると感じました。
そして訪問看護師の仕事に興味を持つようになり、現在本格的に勉強しています。
自分もベッドから起き上がれないくらい辛いときもあり、小さい頃から憧れていた仕事が向いていないという無力感を味わいました。
ですが、一度や二度辞めてしまいたくなっても、そこで看護師自体辞めるという決断をしなくてもいいと思います。
長い人生ですので、一旦ほかの仕事に就いてみたり、しばらく休んだりして、回り道をしながらやっていくのがいいんじゃないかと思いました。
ナースを辞めて医療と関係の無い分野に就きました
(Tさん、20代後半/女性、退職歴1回)
夜勤以外の日には23時に寝て5時に起きる生活をしていました。
病院の近くのアパートに一人暮らしをして日々通っていました。
十分な期間を儲けて、それから辞めました。
この業界で働くことにストレスを感じたからです。夜勤がない分、睡眠習慣が整っています。
体調を崩すこともありません。
しかし、おかしな職場にいて精神を汚されるということがあってはいけません。
身を起き、関わるのも恥ずかしい現場だと判断したなら、その時にはすぐにやめればよいと思います。その際には有給を使い切る。
使っている間に次の仕事を決める。これを行うべきです。
他の看護師のことでストレスを感じて退職
(Kさん、50代前半/男性、退職歴1回)
患者さんのことよりまず自分たちのことばかり考えているように感じる事があまりにも多かった。
言動を見ているととても看護師とは思えないスタッフが目について、注意してもその時のみ、逆に注意した方が厳しい、意地が悪いなどの印象を持たれる、そのような日常が悩みでした。
退職後に在籍していた当時のスタッフに会った時、「表情が穏やかになったね」と言われ、自分でも気がつかない内にストレスで表情が険しくなっていたのだなと思いました。
それでも、なお看護師として働くのなら、人に嫌われる勇気を持つことだと思います。
3回の退職経験も転職にはマイナスにならない
(Nさん、30代前半/女性、退職歴3回)
整形外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、外科の経験があります。
雇用形態は常勤で、病棟で夜勤もしていました。
年収はそれぞれ違いましたが、新人時代から働いていた病院では400万円台で、その次に働いていた病院と最後に働いていた病院では500万円台でした。
2か所目の病院を退職するまでは独身でしたが、3か所目の病院で働いている時に結婚しました。
就職して3年で退職したのですが、もっと臨床での経験を積んでからのほうが良いのではないかという悩みがありました。
2か所目は結婚のため退職しました。
この時は、勤務先への不満は特になかったため、退職後に再就職する場所が良い環境かどうかという不安はありました。
3か所目は妊活のために退職しました。
退職してしまうと収入がなくなるため、本当に退職して良いのかどうか、働いていても妊娠できるかもしれないというジレンマがありました。
キャリアに関しては、再就職する時に考慮してもらえました。
そして新たに就職活動をしなければならないことにネガティブな感情が起こると思います。
再就職に不利になるのではないかとの不安もあると思います。
しかし退職の理由はそれぞれ違うため、一概に退職ということがマイナスにはなりません。
私は3回退職経験があります。
再就職の際に退職の回数が多いと不利になるのではないかと不安でしたが、全くそんなことはありませんでした。
現在は、求人を探す方法は多くあります。また働き方も多様です。
自分に合った働き方があると思うので、退職することを考えるのは悪いことではありません。
ただし、急な退職は、多大な迷惑をかけてしまいます。
退職の時期は配慮してくださいね。
退職してすぐに新しい職場が決まりました
(Mariさん、20代後半/女性、退職歴1回)
地域医療支援病院、一般急性期病院です。
職種は正規雇用の看護師であり産婦人科病棟で働いています。
有給休暇の消化率も90%以上はありますし、部署によるかもしれませんが私の働いている部署はほぼ定時に帰ることができ、ワークライフバランスもとりやすいです。
役職はまだなく、今の職場では4年目になりますが、年収550万円ほどだと思います。
また、前職場と比べ現在の方が有給休暇の消化もよく、定時に帰れることが多いのでプライベートに影響もないのでとても楽しいです。
まだ、キャリアアップについては未検討です。
看護師の退職理由と転職の体験談
退職理由に焦点を当てたリアルな看護師さんの体験談のまとめです。
助産師として出産を機に常勤勤務から非常勤勤務へ
(Mさん、40代前半/女性、退職歴3回)
現在個人の産婦人科医院で、非常勤勤務にて助産師をしています。
助産師としてのキャリアは20年で、6年前までは常勤勤務をしていましたが、出産を機に非常勤勤務に切り替えました。
今は週に2~3回程度の勤務で、育児を中心にした生活を送っています。
私は卒後大学病院にて3年間勤務しました。
その後大学院に進学するために退職し、大学院卒業後は地域の中核病院と市立病院にて勤務をしました。
そして出産を機に割と育児との両立がしやすい現在の個人医院にて勤務をしています。
退職するときですが、大学病院を退職するときは進学のためでしたので、全く悩むことはありませんでした。
卒後すぐから大学院進学が希望でしたので、上司にも報告していましたし早くから準備していたからです。
大学院卒業後地域の中核病院に就職し退職するときに悩んだこととしては、人間関係が非常に良くその点では働きやすい環境だったので、それを捨てるのはもったいないのではないか?と思い悩みました。
しかし働きやすい環境だけれども刺激がなくなっていることが自身にとって良いのだろうか?と考えるようになり、もっと自身を高められる環境に行く方が良いのではないかとも思うようになり、最終的には退職を選びました。
市立病院を退職する時は出産が理由でした。
公務員になるので福利厚生も充実していましたし育休も民間病院よりは長く取れたので退職には少し悩みましたが、通勤に時間がかかることと育児に専念してみたい気持ちも当時はあったので、環境を一度リセットしてみたいと思い退職を決めました。
その時は長く悩むことなく退職を決断することができました。
実際に退職したあとのキャリアや生活の変化ですが、出産するまでにおいては、退職するか否か悩みましたが、結果的に自身が考えていた以上に新たな病院で学べたことが多く、尊敬できる先輩との出会いもありましたのでとても良かったと思っています。
生活の変化も出産後はありましたが、出産前は特に感じることはなかったです。
これから退職する方々へのアドバイスとしては、あまり悩む必要はないかなということです。
悩んでいるより思うことがあるならば、まずは動いてみることをお勧めします。
いろいろな病院がありますから何か違うと思うなら、退職し新しい環境に身をおいてみることで違った景色が見えてきます。
それだけでも様々なことが学べますので、あまり退職によるデメリットばかりを考えず、動いてみて欲しいと思います。
職場の人間関係と看護師に向いていないと感じて退職
(Kさん、30代前半/女性、退職歴2回)
地元の大学病院で3年3ヶ月勤務をしました。
循環器内科配属で三交替勤務だったため夜勤もバリバリこなしていました。
年収は、400万弱です。表向きは結婚退職という形を取りましたが、職場の人間関係でうまくいかなかったこと、自分が看護師に向いていないのではないか?と感じていたため退職を決意しました。
とにかくどんなに気を付けていてもミスが多く、患者様の命に関わる責任の重さに耐えれなかったというのが一番ですね。
また職場の先輩からの嫌がらせも主な原因の一つです。
実際に退職し新しい場所での生活をスタートさせ、派遣看護師として働いていました。
お給料は下がったものの家庭との両立もしやすいですし、働きたいときに働けると言うのが自分の性格にも合っていてよかったです。
これから退職する人へ向けてですが、どんなにきつくてもある一つの場所で三年間は経験を積んだ方が自分のためになると思います。
すぐにやめてしまうと辞め癖がついてしまいますし、履歴書に書くことなので採用にも影響が出るからです。
健康問題、妊娠が理由で退職、看護師として再就職するか検討中
(Mさん、30代前半/女性、退職歴2回)
新卒で就職した大学病院で4年弱勤務し退職、民間病院に転職し半年勤務後に退職しました。現在育児専業で働いておりません。
大学病院では手術室配属で、民間病院では主に療養の混合病棟に勤務しました。
一度目の退職は自分の健康問題がきっかけでした。
夜勤はほとんどなく土日もしっかり休めるので働きやすい環境だなと自分では感じていました。
しかし手術室勤務は体力勝負な上、大学病院という特性上、常に新しいことに挑戦するので帰宅後の勉強が大変でした。
忙しくも充実していると感じていた矢先、身体が悲鳴をあげました。
うつ病の一歩手前という感じで、しばらく仕事から離れて静養する必要がありました。
当時は休むことが辛いほど仕事で頭がいっぱいでした。
心療内科に通いながらしばらく休職したあと復帰し、担当業務も配慮していただき数ヶ月働きました。
大きく体調を崩すことはありませんでしたが本調子に戻った感覚はありませんでした。
信頼していた上司から「看護師人生は長いし、ここだけじゃない」とのお言葉をいただき、退職することにしました。
大学病院で働くことは夢でしたし、最低でも3年は同じ場所でしっかり基礎を学びたいと考えていたので、中途半端になっていまったことは今でも悔しいです。
また、大学病院は福利厚生の面でもとてもいいので子供を出産した今、もし働き続けていたら産後の復帰もできていたのかなと思います。
しかし身体のことを考えると退職してよかったと思います。
退職して薬を服用して本当の意味での静養ができたので現在はすっかり元気になりました。
大学病院を退職して半年弱休み、今度は自宅から近い民間病院に転職しました。
前職で体調を崩していたことや病棟経験がないことなども理解して頂いた上での転職でした。
前職と比べるとゆったりした業務でしたので、新人で勉強しながらでも勤めることができました。
しかし働き始めてみると大きなストレスはないのに時々体調を崩していました。
勤務して半年後妊娠が発覚し悪阻がひどく退職しました。病院に迷惑をかけていまい本当に申し訳なく思っています。
半年なので病棟経験があるとは言えませんが、とても基本的なことを学べたのでよかったです。
一度目も二度目も退職するときに一番悩んだのは生活のことです。
働かなければ食べていけません。自分の今後やキャリアのことまで考える余裕はなく、今日明日どうするかが一番悩みました。
幸い自分には迎えてくれる実家や支えてくれる夫がいたので周囲の助けてもらい、自分の身体優先で退職できました。
現在どこにも勤めておらず育児に専念しています。
働きたい気持ちはありますが、経験が中途半端で自身がないことと一度体調を崩してしまった恐怖からなかなか動けません。
実家が遠方なので子供を預けて働くにはサポートを得られません。
いずれ再就職する予定ですが今までのことがあるので自分の身体と相談して決めていこうと思います。
現在退職するか悩んでる方へ。
まず体調を崩してしまった方、状況にもよりますが退職してしっかり休んだら治ります。
自分の経験でもそうですが医師にも言われました。なので無理せず退職しまた再出発でいいと思います。
しかし体調が悪いなどの理由がない場合、踏みとどまった方がいいかも知れません。
正直やり直すのは想像以上にパワーを使います。
しんどいなと感じていると思いますが、今後の自分を一度想像することをおすすめします。
結婚と家事で退職、日勤で良いところがあれば働きたい
(Dさん、30代前半/女性、退職歴2回)
総合病院で働いていました。3交代で整形外科病棟勤務でした。
正社員で年収は約450万前後だったと思います。
手取りはもちろんもっと少ないですし、こどももいるのでそこから保育料など引かれていました。
夫と3人で暮らしており、夜勤の際は夫がこどもの面倒をみてくれていました。
夫の仕事も忙しい中の協力しながらの生活は、なんとかやれていましたが、家の中は散らかるし、夜勤をしていると頭もボーっとして家事のやる気もなかなかおきません。
1度目の退職は結婚がきっかけだったので、同期を失う淋しさ以外に特に悩みはありませんでしたが、2度目の退職は主に上記のようなことが理由でした。
家族が寝ているところを、まだ自分も眠たいのに起きて仕事に行き、夜勤から帰れば眠たくてこどもの相手も十分にできませんでした。
日勤はといえば、朝早くから情報収集を行い、定時に帰ることも難しい。
その中で、苦手な看護師と同じチームになり、看護研究や委員会、勉強会でサービス残業も多くなりました。
このような理由での退職は仕事からの逃げのような気がしており、すぐに退職とはなりませんでしたし、金銭的にやっていけるかという不安もありました。
今は退職して1ヶ月ほどたちましたが、専業主婦となった現在の生活を私自身満足しているし、こどもも早く寝て、よくご飯を食べ、わがままを言う回数も減りました。
夫は今まで無理して仕事を切り上げていたところを、仕事に集中して向き合うことができるようになり、「生活が楽になった」と、喜んでいます。
キャリアに関しての不安は残るものの、自己学習は続けていきたいと思っていますし、ずっと専業主婦というのも私には向いていないと思うので、日勤だけで、うまくやっていけそうな条件と出会えたらいいなと思っています。
結婚などでの退職はやむを得ません。ただ、仕事場の雰囲気や仕事の内容、条件で、毎日「嫌だな」と思うくらいなら(生活ができるならば)一度退職したっていいと思います。
長く続けることはもちろん凄いことです。定年退職では大きなお金も待ってます。
しかし、定年まで働き、自分の人生を振り返った時、後悔しないだろうかと思いました。
それは人それぞれですが、今後の人生をどのように送りたいのかを考えみると、退職するかどうかを決めるヒントになるのではないでしょうか。
急性期総合病院を経て、地域の中核病院を出産のタイミングで退職
(MMさん、30代後半/女性、退職歴2回)
看護学校を卒業して、そのまま付属の病院へ入職しました。
病床数500床以上ある急性期総合病院で、1年目は記憶がないほど毎日がバタバタと過ぎました。
とても忙しい病棟で、充実感はありましたが、一方でこのままでは仕事をこなすことが優先になり、看護師を嫌いになってしまうと思い、7年で一旦退職しました。
その頃は超過勤務が多かったため、年収も450万はあったと思います。
しばらくは派遣やバイトをしていましたが、自分のしたい看護を思い出し、退職から1年で目標とする認定看護師がいる病院へ再就職しました。
その病院も600床、地域の中核病院ではありましたが、超過勤務もそれほど多くなく、自分が考えた看護ができる病院でした。
その病院では途中で結婚、妊娠、出産を経て、産後も働いていました。
院内保育所へ子どもを預け、7年正社員として働いていましたが、院内保育所が3歳までの小規模であり、第二子の出産の、上の子が市の保育所に落ちたため、出産のタイミングで退職しました。
退職後は専業主婦として毎日過ごしていますが、下の子が幼稚園に入るタイミングでの仕事復帰を考えています。
看護師はどこも人手不足で、すぐに再就職先は見つかると思います。
全ての希望に合った就職先は見つからないかもしれません。
その時は、自分が譲れないこと、最優先項目を考えて探してみてはいかがでしょうか。
私は自分のしたい看護を、と考えて就職先を決めましたが、子どもができた今、優先順位は子どもになりました。
産婦人科病棟を退職しクリニックへ転職
(Yさん、40代後半/女性、退職歴3回)
初めに就職したのは大阪の総合病院で、11年勤務しました。
助産師で産婦人科病棟勤務でしたが、婦人科をみなければいけないことも多々あり、自分のお産のスキルアップをしたいけれど、後輩に指導しなければいけない、教えてくれる先輩もいない、ということで退職しました。
次に就職した個人病院は分娩に力を入れている施設だったので、自分の思うような勉強がたくさんできました。
夜勤はせずに日勤パートで働いていたので(夜勤の人数は足りているといわれた)収入は多くなかったですが、仕事は充実していました。
そのクリニックが分娩の取り扱いを辞めてしまったので、また次のクリニックに就職しましたが、人間関係が大変だったので辞めました。
退職して、再就職する際に次の職場が見つかるか、自分に合った職場かどうかは一種の賭けになると思います。
幸い産科業界は狭い世界なので、知り合いを探していけば、何かと情報は得られます。
役職としてステップアップ(主任、婦長など)していきたい人は、転職せずに長く職場にとどまることで、チャンスはめぐってくると思います。
小さなクリニックでは行っている医療の質や人間関係にびっくりすることが多いです。
退職することでストレスからは一時逃れられるので、リフレッシュするいい機会でもあります。
夜勤の回数をこなさなければ収入は満足する額はクリニックではもらえないことが多いと思います。
退職するときはその理由と目的をしっかり持つこと、次の職場では自分がどのように環境に対応し、働いていくかを想定して再就職する必要があると思います。
看護師としての勤め先は今の場所だけではない
(Tさん、30代後半/男性、退職歴1回)
15年ほど前に熊本中央病院の整形外科に看護師として勤務していました。
看護師になりたてでしたので、右も左も分からない状態で、よく先輩看護師に怒られていました。
患者さんを大切にしなければならない重圧と、先輩看護師からの冷たい言葉に心身ともに疲れはてる日々が続いていました。
入院患者さんも次から次に入れ替わるため、患者さんに対しての愛情なども起こる暇もなく、がむしゃらに1日の仕事をこなしていました。
そして1年目で退職を決意しました。もう少しゆっくりとした職場で勤務したかったからです。
幸い看護師長はやさしい方で「あなたはおっとりした性格だから、個人病院で静かに仕事した方が良いかもしれない。頑張ってね」との助言をもらいました。
退職し、家の近くの個人経営の整形外科病院に勤務することになりました。そこでは今までと違い、1日の時間がゆっくりと流れていました。
バタバタすることもなく、患者さんともお話をする機会が増え、毎日充実して過ごしています。
退職をお考えの方には、「看護師としての勤め先は今の場所だけではない。自分の性格にあった勤め先を探すと、きっと楽しく仕事ができますよ」とお伝えしたいです。
助産師になるための進学を理由に退職
(Sさん、30代前半/女性、退職歴2回)
神奈川の大学病院で精神科看護師として4年間勤務、年収は400万程度でした。
助産師になるための進学を理由に大学病院を退職しました。
助産師になってからは総合病院の産婦人科と小児科の混合病棟にて勤務、年収は350万程度でした。育児のために退職しました。
大学病院をやめ、助産師になると決めたときは、この選択が本当に自分に合っているのか、この病院でのキャリアを失っていいのか、などを退職を決めるまでも決めてからも悩み、考えました。
そのときはプリセプターの先輩にも相談しましたし、同期にも話を聞いてもらいました。
話を聞いてもらうことで自分の考えを整理することができたように思います。
助産師として働いており、退職したときは2年間しか働けていなかったので、消化不良だなという気持ちでした。
同じ病棟に同期はいなかったので、先輩に自分の思いを聞いてもらいました。
子どもに先天性の病気があったので、先輩には今はしっかり自分の子どもをみるべきと背中を押してもらいました。
今は子育てに追われる毎日ですが、子どものことが落ち着いたらまた医療の現場に戻りたい、という気持ちが強いです。
しかし、今までの選択を後悔したことは一度もないです。
寝ているときにアラーム音の幻聴が聞こえなくなったのは大きな変化と思います。
退職する時は一人で悩んだり、決めたりせずに周囲に相談することが重要だと思います。
後悔しないように一人の人としての人生、看護職者としての人生を楽しみましょう。
