ナースの出世と役職のまとめ|看護主任・看護師長・看護部長の役割と仕事
ナースの出世(参考)
役職名 | 年齢 | 企業での役職(例) | 年収 |
看護部長 | 50歳前後 | 部長 | 700〜1000万円 |
看護師長 | 40歳前後 | 課長 | 500〜800万円 |
看護主任 | 30歳前後 | 係長 | 450〜650万円 |
正看護師 | 20〜50歳 | 平社員 | 400〜500万円 |

転職では主任職は出産や育児による離職が多く不足しやすいので、30代で経験豊富な方で出世したい方は狙い目かもしれませんね。

私にとってはまだまだ先の話ですが。

またシフト表の作成によって、部下から信頼されるかどうかに大きく影響します。そして看護師長になるには、同じ職場で長く働く方が有利になります。


そして最後に看護部長ですが、通常は看護師キャリアのトップであり、経営にも関わり、病院全体にその影響力が及ぶ存在です。基本的に病院に1人なので、看護部長になるのは非常に困難です。そのため大病院で看護部長になるには、外部の人脈や政治力が影響してくることもあります。

看護部長になるには、能力はもちろん、強いモチベーションも必要ですね。
看護主任の役割と仕事
20代後半から30代前半になると「主任」を任されるようになります。
看護主任の役割
看護部門で看護師長の補佐的役割を担い、一般企業で言うところの「係長」にあたるのが看護主任(主任看護師)です。
看護師長、看護部長になるためには避けては通れません。
看護師の経験として10年以上、必要なことが多い役職です。
主任看護師は、他の看護師とコミュニケーションを取り、スタッフの業務の進行状況を把握し、様々な状況に対応する必要があります。
また師長に対して状況報告や助言をする役割も重要です。
看護主任の仕事
主任看護師には、看護師としての仕事の他に、看護師長の補佐業務としての仕事が加わります。
具体的には、シフト作成やベッドコントロール、職場の危機管理・インシデントレポート、ヒヤリハットのまとめ、看護研究や委員会の内容を把握して、メンバーに伝えます。
またメンバーの役割や目標を把握し、サポートする必要があります。
そのため主任看護師にはマネジメント能力、リーダーシップも必要です。
看護師長の役割と仕事
30代後半から40代前半になると「師長」を任されるようになります。
看護師長の役割
看護部門の管理者で、一般企業で言うところの「課長」にあたるのが看護師長です。
看護師の経験として15年以上ほど必要なことが多い役職です。
看護師長は日常の業務やスタッフ勤務、キャリア開発を管理している看護部門の管理者で、 1つの部門の業務やスタッフを管理し、担当する部署の看護サービスに対しての責任と権限を持っています。
看護師長の役割として、患者や家族へに対するケアの知識や技術を磨くのはもちろん、統括する部署の業務が安全かつ確実に行なわなければなりません。
また現場の看護師として、科をまとめスタッフが円滑に仕事を行なう体制づくりを整える管理能力と看護部長や院長など経営陣への橋渡し的な役割を担っています。
看護師長になるには、看護資格を得て医療機関に就職した後、臨床現場である程度の経験を積み、看護の実践力を高め、業務をマネジメントする能力を身につけることが必要です。
病院によっては、看護管理に必要な知識を学ぶ「看護管理者養成コース」等の勉強会を設けているところもあります。
ほかには、病院の組織管理や教育を行なう者が、部署の師長や副師長を担う看護師に対して、日本看護協会の実施する「認定看護管理者」の資格(ファーストレベル、セカンドレベル)を推奨していることろもあります。
看護師長の仕事
看護師長は、病院全体の看護師長が参加する会議や委員会に出席して、各部門や病院で取り組む看護ケアを検討することもあります。
その時に、院内の医療体制について医師部門や検査部門など、他の医療従事者の部門管理者と意見交換したり論議する事もあります。
また医療物品や施設状況の点検などの管理を行なうのも看護師長の仕事です。
安全でかつ質の高い看護サービスのための部門管理をしていきます。
看護師師長の仕事のひとつに、スタッフの勤務表(シフト表)を作成し、勤務体制を管理し、スタッフの部署での役割分担や、各スタッフの看護の専門職としてのキャリア育成のために、定期的に面談を行なうことがあります。
スタッフに対して課題を与え、目標を明確にし、スタッフの仕事に対するモチベーションをあげ、さらなるキャリアアップにつなげていきます。
そして看護師長はその部門の業務目標を掲げ、業務の見直しや整理、スタッフの役割分担や育成計画を考えながら、日々の管理業務を行なっているのです。
看護部長の役割と仕事
40代後半になると「部長」を任されるナースも出てきます。
看護部長の役割
看護部長は、一般企業で言うところの部長にあたり、病院の経営陣側です。
看護職員、看護師長のまとめ役で看護部門のトップとして、看護部門にいる人や設備などの全体の管理と看護部門と関係する他の部門との連携をとり、看護部門と医療成績の向上を図ります。
看護部が進むべき方向を示し、日標を達成するための組織づくりをするというトツプ・マネージメントの役割を担っているのです。
看護部長の仕事
看護部長の具体的な仕事は、看護部の理念や目標を周知し、看護部の事業計画や予算を決め、看護部の人事や労務を管理し、看護ケアの質の向上をめざした業務改善を行う事です。
つまり看護部門の全体に目を配り管理する役割を担っているのです。
このように看護部長は多くの仕事を担っているため、自分が行ないことと人に委ねるべきことをよく考え、業務を進めていく必要があります。
責任のある看護部長に必要な能力は、看護師長と看護職員に看護部が目指す方向づけをし、その組織をつくっていくというマネージメント能力です。
看護部長は、看護師長や看護職員といった看護部内だけでなく、病院長や看護部門以外との連携を考えないといけません。
したがって、相手の業務内容や立場を理解しようとし、よい関係を築くことや交渉能力も必要です。
日々起こる問題を、ほかの人が理解できるように論理的に説明し、問題解決をする能力も必要になってきます。
病院によっては、看護部長が、病院の副院長を兼ねている所もあります。
病院入口でまず思う看護部長の位置づけ(看護学校教員からの視点)
以前看護系の学校の教員をしていました。
そのため、あちらこちらの病院の看護部長もしくは副部長クラスの方に実習のお願いをしにうかがうことがしばしばありました。
まず病院に訪れて思うことは、入口の病院管理者の名前の順序です。
現在では病院機能評価の関係で、看護部長が副院長となっていることも多いのですが、そうではない場合の病院では、院長→副院長→事務部長→看護部長の順で名前を掲示してあるのをみて、ここでまず、この病院って、事務部長の方が看護部長よりも上なんだ、看護師はあまり評価されていないのだな、と評価します。
もちろん、公的なところにおいては、全体の等級の関係で、そうせざるをえない場合もあるかもしれませんから、一概には言えないのですが。
そういった目でみていると、看護部長室がどこにあるのか、事務部長室がどこにあるのか、といったことも気になります。
そして、その広さや調度品なども、です。看護部長室が狭く暗い部屋で、事務部長室が副院長室のすぐ隣、ということもよくあります。
病院のなかで一番いい場所に事務部門が置いてある場合もあります。患者さんに使わせて差し上げればよいのに、とふと思うこともあります。
看護部長もしくは教育担当の副部長さんにお目にかかるまでもなく、そういったところで、まずはその病院の評価をしています。
そのうえで、その方々の看護に対するお話をうかがうと、そのお話が本当なのか、とりつくろっていることなのか、少し見えてきます。
ベテラン看護師の友人の話
某有名大学病院に勤めていた友人ですが、年数が経つごとにベテラン看護師になっていくのは 致し方のない事かと思います。
当然、次々と若い看護師さん達も入って来ます。
そんな折、ついに副看護婦長(今なら看護師長と言うのでしょうね)に任命された友人。
なんと、辞めたいと日々 嘆く有様でした。驚いて、何故かと問えば「イマドキの若い看護師さん達を自分では使えない。どうしたら良いのか自信もない」と言うのです。
結局、副看護師長の難を逃れ?新しくオープン予定のクリニックへリクルート。しばらくそこで看護師を続けましたが、彼女の希望は永久就職でした。
とにかく結婚したい彼女は、知り合いの紹介もあり、めでたく永久就職となりました。
それから子育てに専念していましたが、お子さんの成長と共に またアルバイトなどを始めました。
ところが看護師とは全く関係のない仕事ばかりです。
どうやら、しばらく看護師の職を離れていた人のための再教育研修らしきものを受けたらしいのですが…
彼女いわく、自分が働いていた時とは全く違う!驚くことの連続だったとのこと。
もう、とてもついて行けない…と言うのです。
私に言わせれば、長年の経験もあるし、もったいないの一語につきますが、本人の意思なので仕方ないのかと思います。
ケアマネージャーの資格取得も ままならず、現在は図書館で若いバイトさんに仕事の細かいミスを指摘されながらアルバイト中の彼女。
いつかはもっと彼女の経験を活かせる職について生き生きと働く彼女を見てみたいと思っています。