透析看護師の仕事・役割と転職のまとめ
透析医療にかかわる看護師の仕事・役割と透析看護師の転職事情のまとめです。
透析看護師の仕事と役割
慢性腎不全など腎機能が低下した患者は、人工的に血液をろ過しなければいけません。
その時に必要な透析療法が血液透析や腹膜透析です。
血液透析は週に3日程の通院が必要ですが、腹膜透析は月に1、2回です。
透析室で働く看護師は主に血液透析の看護を行います。
病院の人工透析科、透析室や個人の透析クリニックなどで働く看護師の役割は、バイタルチェックをはじめ、透析のための穿刺・抜針・止血が主で、健康指導や生活指導も行います。
全般的に他の診療科と比較すると緊急処置や残業、休日出勤も少なく安定しているため、潜在看護師の転職先としても人気があります。
日勤のみの勤務でも透析看護師の給料(手取り)は安定していると言えるでしょう。
透析室の看護師のメリット・デメリット
透析室の看護師のメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。
【メリット】
・患者さんと深いコミュニケーションが取れる
・透析について専門的な知識を深く得ることができる
・基本的に残業が少ない
・日勤、休日出勤が少ない
(もちろん夜勤、シフト制勤務の病院もあります)【デメリット】
・他の診療科の技術、知識に疎くなる可能性がある
・透析の専門知識や機械操作を含む技術を多く覚える必要がある
・精神的なストレスがある
・コミュニケーション能力がないと厳しい
透析看護師の需要について

慢性透析患者数は2021年末の348,873人(※1)がピークになると予測されています。
※1)日本透析医学会「人口高齢化により透析導入患者数の増加が予測される(図表2)」参照


認定看護師の資格にも透析看護があります。透析看護認定看護師の登録者数は2018年時点で261人です。
少しずつですが、右肩上がりで増えていますね。
また厚生労働省が慢性腎臓病対策に取り組む姿勢を見せており、2028年までに年間の新規透析導入患者数を3万5000人以下に減少させるという目標を掲げています。


透析看護師の転職体験談
透析看護師として勤務してきた看護師の転職の体験談です。
一年中求人を出していた透析クリニックで働き・・。
個人の院長が経営する透析クリニックで5年間働きました。
患者さんはどんどん増えていくのに正社員のスタッフは全く増えません。
院長に掛け合って求人は出してもらっていました。
ただ、この求人を載せても5年間の間で10名程のスタッフが来てくれましたが、皆アルバイト希望でした。他の本職を持っていて副業で働きにきてくれたのです。
それなので、ほぼ一年中求人を出している状態でした。
私もこの求人は長期間出ているなと思っていましたが、まさか背景にこんな状況があるとは思いませんでした。
アルバイトの方は沢山来ます。正社員で働くよりも条件がいいからです。
事務のスタッフの方と一年中、求人を出している事が見る人を何だか不安にさせるのでしょうかと話しをした事があります。
確かにそんな一面もあると思います。常に求人を出しているとそれなりに理由があるんだろうと訝しがるのが普通です。
ただ、その状況のクリニックで働いていた私だから言いますが、必ずしも意地悪な先輩がいるとか、給料が安過ぎて酷いと言う事ではありません。
ただ、他に魅力が無かった事もあると思います。個人のクリニックなので福利厚生が総合病院程がっつりある訳ではありません。
それでも毎年年に数回行われる飲み会は全て院長先生のおごりです。総合病院等では会費を払って参加する事が多いと思いますが、余分な出費はありません。
院外の勉強会の参加の費用も院長先生が出してくれます。肩書きこそ弱いですが、しっかりフォローしてくれます。
上手に使えば自分の時間もしっかり確保出来て楽しい毎日が送れます。
一度、気になる求人は面接だけでも行ってみて下さい。
東京の透析室の看護師の転職
(40代前半・女性)
東京都で看護師として正社員、病院内の透析室で勤務しています。
年収は420万ほどです。8時15分から16時45分の日勤と月10回ほどの8時15分から18時45分までの通し勤務をしています。
子供の頃から看護師に憧れておりました。
人の役に立ちたいという気持ちからと、自分が子供の頃に入院をした時に優しく接してくれた看護師さんに憧れ、そしてなによりも笑顔で人を明るくしてくれる看護師さんたちを見て憧れから看護師になりたいと気持ちになり目指しました。
転職回数は5回しています。
1回目は免許取得後で5年勤めましたが、他の職場を見てみたいという気持ちの中から転職をしました。
そして、透析クリニックに転職をして5年ほど勤務しましたが、透析以外にも興味を持って、整形外科のクリニックに転職しましたが、何かが物足りなくて再び透析クリニックに転職しました。
そこでは7年透析について学び仕事をしてきましたが、知れば知るほど奥が深い透析業務で、もっと学びたいと思い、現在の病院内の透析室に転職をしました。
私が目指す看護師は、患者さんを笑顔にする事です。
透析治療は週3回、1回4時間という治療で、患者さんが最後との時まで行わなければならない治療です。
多くの苦痛があり、患者さんの中では最も辛い時間ですが、その中で今日は苦痛なく終われたよと笑顔で帰宅してくれる看護を目指しています。
透析に対する知識や看護経験は特殊で、透析業界に転職するときはこの知識と看護経験を活かせることが多くあるため、面接で経験で学んだことを話すようにしています。
看護師は色々な職場があり、病院、クリニックなど様々ですが、透析医療はこれからも伸びていき、そして看護だけではない知識や技術も学べます。
自分がどのような看護師を目指すかによって様々な職場で生かせる看護はなにかを考えて転職をするといいと思います。
看護師転職サイトを利用して腎臓内科・透析の専門病院に転職
(30代前半・女性)
腎臓内科専門病院で病棟看護師をしていました。
現在は育児休暇中で今後復帰予定です。
看護職に就いた理由は手に職を持ちたかったからです。
看護師として現在までに転職を2回しています。
1度目は主人の転勤の都合、2度目は美容整形クリニックに勤務していたのですが、看護とはかけ離れた世界で看護師とエステティシャンの派閥などもあり今のままでいいのだろうかと悩んだからです。
今後は食生活の欧米化などに伴い生活習慣病の方が増えるのではないかと思い腎臓内科、透析に特化した病院に転職いたしました。
目指す看護師としては、やはり患者さまに寄り添うことのできる、気持ちを理解できる看護師にはなりたいと思っています。
高齢の方が多く認知症を発症しており意思疎通が難しい方、家族がおらず独り身の方が多々います。
辛いことがあっても言葉に出すことができず、頼れる家族もいない。
そんな方たちの気持ちをくみ取り看護していきたいです。
また、観察がしっかり出来るようになりたいです。
透析の方には糖尿病の方やさまざまな合併症を持っている方がいます。
話をしていたのに数分後には心肺停止の状態であったり、透析中に急変したり観察力ないと助けられません。
いち早く異変に気付けるよう知識をつけたいです。
とは言ってもなかなか難しいところがあります。
転職での裏技などはわかりませんが、転職にあたりその職場で何をしたいのか明確な答えを出すのは大切だと思います。
面接では、緊張すると思いますが就職できたら何をしたいのか自分の意見をしっかり話てみてください。
看護師求人サイトに登録して透析+療養型病棟へ転職
(40代前半・女性)
現在民間総合病院で勤務している40代正看護師です。
配属は透析+療養型病棟で正社員です。
年収は500万で一時の母です。
小学生頃から人の役に立つ看護師に憧れてましたが、実際には営業サービス業で働いていました。
しかし、自分の中で自分らしくないという葛藤が湧いてきて幼少の夢に向かってシフトチェンジしました。
新入職は県立病院でしたが、残業が多く自分の時間が全く持てないことと縦社会が厳しく時には言葉の暴力があり長く務めることはできませんでした。
その後トータル4回の転職を得て現在に至ります。
今となって一番落ち着ける場所を見つけることができたように、やりがいを持って働くことができています。
途中の転職は引っ越しや家庭の事情による勤務時間の調整のため、早いサイクルで転職をしていましたが、やはり少なくとも3年の継続勤務はしたほうが自分のためにも、落ち着いて看護の仕事を全うするにも必要だと思いました。
私が常々モットーとしているのは「この人に看てもらって良かった」と感じてもらえるような看護師となることです。
それは、自分が患者の立場になった場合でも、安心して身を任せれる看護師さんに対応してもらいたいと思うからです。
それからQOLを上げれる力を持った看護力を持つことです。床に伏せっていたとしても、その中で生活の質を上げることができれば自分の達成感にもつながりますし、やりがいを持ち続けることができるからです。
数回転職をしましたが、ある程度真面目できちんと感を出すことも必要ですが、自分の希望や意思表示ははっきりと示す事が重要と思います。
看護職は人手不足ですから、企業の言いなりに任せてしまうと、自分の意図としない方向へ流されてしまう場合もあるので最初が肝心と思います。
これから転職を考えている方も自分のやりたい仕事が長く続けられる場所を見つけてください。
